拡大
諸国名橋奇覧 ゑちぜんふくゐの橋

葛飾北斎作家解説
1760(宝暦10年)-1849(嘉永02年)
カツシカホクサイ
Hokusai KATSUSHIKA

P-311
諸国名橋奇覧 ゑちぜんふくゐの橋
ショコクメイキョウキラン ヱチゼンフクイノハシ
英語 Tsukumo Bridge in Echizen-Fukui from the series of Wondrous Views of Famous Biridges in Various Provinces

制作年:天保4~5年・江戸時代
サイズ:24.7×35.7cm
技 法:木版
材 質:紙

昭和58年度 購入

 「諸国名橋奇覧」は、全11枚からなり、全国にある名橋・奇橋を描いた北斎晩年の作品。
 九十九橋は、その長さが99間あることから名付けられたとも言われ、江戸時代には上方から福井城下入る入口として重要視された。またこの橋は、半木半石の橋として、当時の書物に記されるなど、その名を広く知られた橋でもあった。
 画面手前に、通行人や駄馬でにぎわう橋を描く。また対岸の川岸には多くの板が立てかけられており、よくみるとそこには紙が貼られていることから、紙干しの作業を描写していると思われる。これは越前が紙の大産地でもあることからの表現であろう。
 本図は北斎自らが福井に取材して制作したというよりは、『日本山海名物図絵』(1754刊)などの挿絵を参考として、北斎一流の想像力により描かれたものと考えられる。事実、橋の構造からすると、本来は対岸には山でなく、福井城と城下が描かれるべきである。
 本図には「冨嶽三十六景」などに見る、奇抜な構図や表現こそないが、清澄な色彩と整理された画面は魅力的で、かつ福井を題材とした唯一の北斎作品としても貴重といえる。

カード番号(8)