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かぐわしき大地

ポール・ゴーギャン作家解説
1848-1903
ゴーギャン,ポール
Paul GAUGUIN

P-300
かぐわしき大地
カグワシキダイチ

制作年:1894
サイズ:35.5×20.5cm
技 法:木版
材 質:紙

昭和57年度 購入

 フランスの後期印象派の代表的な画家。南フランスのアルルで送ったゴッホとの共同生活において、ゴッホの耳切り事件があったことをご存知の方おられることだろう。実はゴーギャンは文明を大変嫌い、原始生活に憧れた。そのため人生の後半はフランスを出てタヒチへ行き、貧困の中タヒチで亡くなる。
 本作《かぐわしき大地》は、タヒチの紀行本を発刊しようとして作成した木版画シリーズ「ノアノア」(全10枚セット)のうちの1枚である。当時のヨーロッパの版画は、銅版画とリトグラフが主流で木版画は廃れていた。しかし文明を嫌い原始にあこがれたゴーギャンは、木の素朴さを好みあえて木版画を制作した。しかも彼は伝統的な木版画とは異なり、大工用の荒い丸のみを使い「大地の感覚」を目指したのだった。

カード番号(13)