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「たふとさや」句文懐紙

松尾芭蕉作家解説
寛永21年(1644年)-元禄7年10月12日(1694年11月28)
マツオ バショウ
Basho MATSUO

C-14
「たふとさや」句文懐紙
「タフトサヤ」クブンカイシ
英語 Poem by the Haiku Poet Basho MATSUO

制作年:江戸時代
サイズ:38.8×48.1
技 法:紙本墨書
形 状:軸装

平成27年度 ジャクエツグループ 寄贈

              「印」「印」
      應定光阿闍梨之覓 芭蕉桃青

たふとさや雪ふらぬ日も蓑とかさ
 
   かさもたふとし
   又爰にあらむ。みのも貴し、
   其かたちある時はたましゐ
   歳のまぼろし今爰に現ず。
   いづれの人かうつしとゞめて千
蓑もたふとし。いかなる人が語傳え、
あなたふと□□、笠もたふとし、

「 印 」

本句は『をのが光』(元禄5年自序)に掲出。三井寺の僧・阿闍梨定光の求めに応じ、元禄3年(1690)、小野小町の絵姿を見て、大津で詠まれたものと考えられる。絶世の美女と謳われた平安時代の歌人・小野小町の、年老いて蓑と笠を着け零落した姿を、雪も降らないのに蓑と笠を着けた悟りの姿でいるのは貴いことであると詠んでいる。
本書は向かって左から右へと書かれているのが珍しく、顔を左に向けた小町の画像に対する賛として記したためとされる。図版でその存在を知られながらも長らく所在不明であったもので、近年その存在が確認された。現在は「人に家を」発句懐紙と同じ箱に納められている。