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龐居士図

岩佐又兵衛勝以作家解説
1578(天正06年)-1650(慶安03年)
イワサマタベイカツモチ
IWASA Matabei Katsuyoshi

J-249
龐居士図
ホウコジズ

制作年:江戸時代
サイズ:133.5×56cm
技 法:紙本着色

平成04年度 購入

 岩佐又兵衛は江戸初期の画人で名は勝以。戦国武将荒木村重の子といわれ、はじめ京都のち越前へと移り、晩年は江戸で活動した。諸流派や古典作品に学び、独自の画風で岩佐派を興す。なかでも人物画に本領を発揮し、作品は和漢の古典を題材としたものから当世風俗までと幅広い。特に風俗画の分野では、生前より「浮世又兵衛」と呼ばれて新境地を拓いたとされ、その作風は同時代やのちの作品に少なからぬ影響を与えた。
 本作はもと福井の豪商金屋家に伝来した12図からなる通称金屋屏風の一図で、松の根本に腰掛けて竹籠を作る中国唐時代の禅僧龐居士とその妻龐婆を描く。安定感のある構図と淡い色彩は落ち着いた趣をみせ、一方太く引かれた衣紋線や龐居士の手にする竹ひごのシャープな表現が画面に力強さと緊張感を与えている。本図の制作は人物の面貌表現などから、又兵衛40代の筆になると考えられる。この頃又兵衛は福井において金屋屏風を始めとする数々の代表作を世に送り出すなど、彼の個性が大きく華開いた時期であった。その意味でも本図は又兵衛の実力が十二分に発揮された作品として、彼の画業上極めて重要な一作といえる。