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浮き世

橿尾正次作家解説
1933(昭和08年)-
カシオマサジ
Masaji KASHIO

M-21
浮き世
ウキヨ

制作年:平成3年
サイズ:H 71×W 825×D 205cm
材 質:和紙・鉄線・弁柄
形 状:立体

平成03年度 購入

 福井県南条町生まれの造形作家。1956(昭和31)年福井大学学芸学部卒業。在学中より土岡秀太郎に師事し北美文化協会に所属、卒業後作品発表を始める。1960年代に、極太鉄線の骨組みに和紙を貼り柿渋などを塗布して、自然の様々な形態から着想をえた立体作品を制作し注目される。1966(昭和41)年東京国立近代美術館「現代美術の新世代展」に出品。70年代には一時期制作を中断し、阿部展也、長谷川三郎、鶴岡政男、山口正城らの研究を行う。1982(昭和57)年より再び制作発表を開始。日本の現代美術において伝統的な素材に注目した先駆的作家として、国内外より高い評価を受けている。1991(平成3)年、福井県立美術館主催の「福井の美術・現代VOL.2」で取り上げ、60点の作品を展示・紹介した。
 橿尾の作品の特徴を一言で表せば、現代美術とも工芸品とも彫刻ともつかない、どことなく自然の形態を思わせる素朴できわめて日本的なオリジナリティーを持つオブジェということになろう。
本作『浮き世』もこのような特徴を持っているが、特に注目すべきはそのゆったりとたゆたう浮遊感である。まるで雲のようなその浮遊感は、あらゆる刹那性を超克して、見る者にある絶対的な安心感を与えてくれる。

カード番号(56)